2010年10月17日日曜日

redmine

rake generate_session_store
RAILS_ENV=production rake db:migrate
gem install mongrel


mongrel_rails start -e production -p 8080 -r public -l log/m.log -P tmp/pids/dispatch.0.pid -d

ruby

yum install ncurses-devel
ui
yuuu
yum install ncurses-devel

#tar zxvf ruby-1.8.7-p174.tar.gz 
#cd ruby-1.8.7-p174#
#./configure -prefix=/usr/local/ruby
#make
#make install

2010年10月14日木曜日

アクセス解析サービスの分類と、「ダブルタギング」について

アクセス解析サービスの分類

数十種類あるアクセス解析サービス。「Web上のアクセスデータを取得し分析する」という意味においては、全て同じなのですが様々なツールを使ってみると、その使い勝手や得意分野は大きく違います。


以前、Markzineの連載でも紹介をしたのですが、主要なレポートはどのツールでも出せます。訪問回数・検索ワード・リファラー・ある程度の導線分析・成果ページの設定のコンバージョンレート算出といった数値は間違いなくみられるでしょう。


多くの会社にとって上記の数値が取得出来れば、サイトの分析は問題無く出来ます。では、それら条件にマッチする数十種類あるツールから自分達にとって最適なツールはどう選べば良いのか?
というのが本記事の内容になります。


機能や計測手法とは別の分類軸を元にツールを選定していく・・・というのがポイントです。初心者向けに作られているのか?レポートの出力が簡単なのか?サポートやコンサルはあるのか?こういった軸でアクセス解析サービスを分類してみました。


注:
1)分けに関しては筆者個人の考えです。複数の項目を満たす場合でも主観を元に「よりこっちの比率が大きい」と思われる方に分けています。
2)全ての項目に全てのツールを分類しているわけではありません。
3)筆者が過去の使用経験(業務及び体験版)のあるツールのみが対象となっています。
4)内容に関してのご意見や間違えがありましたら、ご連絡ください。適宜修正させていただきます。




対象者
初心者向け:Sibulla、ComfyAnalytics、Yahoo!アクセス解析、ユーザーインサイト、うごくひと
中級者向け:GoogleAnalytics、ClickTracks、Visionalist
上級者向け:WebTrends、SiteCatalyst、RTmetrics、SiteTracker、Urchin
分かりやすい名称やレイアウト、定型のレポートが既に作成されている、ヘルプが分かりやすいといった観点で「初心者」に分類をしています。上級者向けは、出せるレポートやカスタマイズ範囲が広いサービスを分類しました。どちらが良いという事はありません。
初めてアクセス解析サービスを使う場合は初心者向けのサービスの方が使いやすい(=難易度が低い)です。しかし自分好みにカスタマイズをして分析をしたい人にとっては初心者向けの物では物足りない可能性があります。



提供形態
無料:GoogleAnalytics、Yahoo!アクセス解析、myRTmobile、なかのひと、うごくひと
有料:上記に該当しないツール(広告表示型除く)
無料と有料はあくまでもサービスを利用するコストが無料か有料かという風に認識をしてください。使いこなすためにかかるコスト・サポートの度合いなど他にかかるコストもあるので、トータルコストで考えてみましょう。
無料サービスに関しては、GoogleAnalyticsが一歩リードしている(機能の豊富さ・利用人数・オンライン上での情報の多さ)のが事実ですね。モバイルサイトへの対応はまだ出来ていませんが、対応は検討しているそうです。現在モバイルの分析を無料でするのであれば、myRTmobileが本命かもしれません。



用途
課題発見:下記以外に今回分類しているツール
広告分析:ADPLAN、ウェブアンテナ、アドプラン、アドエビス
特殊分析:なかのひと、ユーザーインサイト、うごくひと、アクセス解析だけでは分からない、サイト上でのユーザー動向を追うツール8+2種で紹介したツール
課題発見型はサイトへの流入や導線を見ながら、課題を探していくのに適したツールです。なかでもSiteCatalyst,SiteTracker,WebTrendsなどは非常に分析の幅が広いです(その分全体的に難易度も高いですが)。
広告分析は広告特化(あるいはほとんどの分析が広告より)のツールです。広告の分析に関しては、特化している分、課題発見型より分かりやすく機能も全体的に豊富です。
特殊分析は、通常のアクセス解析サービスとは路線が違った、特定の機能に特化したツールです。どこがクリックされたか、どこまで読まれたか、といった他のツールには無い機能を持っています。



コンサルティング
コンサル/トレーニングあり:SiteCatalyst、アドプラン、RTmetrics、Visionalist、WebTrends、GoogleAnalytics
コンサル/トレーニングなし:ClickTracks、Sibulla、Urchin、ユーザーインサイト,Yahoo!アクセス解析、なかのひと、うごくひと
コンサルティングのある・なしです。アクセス解析サービスを導入する時あるいは導入直後に受けるとツール及びサイトの理解があがります。しかし、有料である事と、その質は人に依存するため使ってみないとわからないところが、悩ましい部分ではあります。個人的な印象としてはVisionalist,SiteCatalystはこの辺が充実しているかと思います。


(2009/08/01追加)補足:トレーニング(ツールの仕様の理解や操作説明)とコンサルティング(導入前や後の設計・分析・KPI設定・改善提案など)は別々で考えた方が良いですね。ここではまとめてしまっていますが、トレーニングだけを提供している所もあります。また代理店独自の物もあったりするので、ベンダーが提供していなくても、代理店が提供している事はあるので、確認をしてみてください。



レポーティングのしやすさ
レポーティングしやすい:SiteCatalyst、Sibulla、ComfyAnalytics、ユーザーインサイト、Visionalist
定常的なレポートが出しやすいツールをいくつか選んでみました。条件に基づいた定期的レポート配信・解析ページをそのまま印刷してもわかりやすいツール・定型レポート作成機能などを条件に選んでいます。



導入規模
小~中規模企業向け:Sibulla、ComfyAnalytics、Yahoo!アクセス解析、ClickTracks
大企業向け:SiteCatalyst、WebTrends、RTmetrics、SiteTracker、Visionalist
ハイブリッド:GoogleAnalytics、用途の「特殊分析」に属する物
PVやサイト数が多い・豊富な機能が必要・コンサル等の周辺サービスが充実している=大企業向けとして、分類をしてみました。


※上記で紹介したツールの一覧は、アクセス解析イニシアチブのWikiからご覧いただけます。今回紹介していないツールもあります。





ダブルタギングに関して

様々なツールを分類分けしてきました。ここから1つに絞り込むのは非常に難しいです。そこでオススメしたいのが、「ダブルタギング」です。耳慣れない言葉かと思います。英語で書くと「Double Tagging」。二つ(あるいはそれ以上の)アクセス解析のタグを入れて計測しようという概念です*1


個人的にも非常にオススメしたいダブルタギング。一番のメリットは「使う人のレベルや要件(定常レポートを出すのか、細かい分析をするのか)に応じて、使うツールを選択出来る」という事です。万能なツールはありません。「ユーザー単位の分析をしたい」「いつも見るデータだけをすぐに見たい」「上司に提出するレポートを簡単に作りたい」「どこが良くクリックされているかを知りたい」「とにかく数値の精度が高いデータを出したい」。使う人によってそれぞれ要件が違い、最適なツールも違います。


それを1つのツールで全て賄うのは非常に難しいです。そこで、複数のツールを入れることによって、使う人の満足度を上げたり、作業工数を下げたりする事が出来ます。上記のような状態を実現するために、ダブルタギングを行う際のポイントや注意事項を以下に記載いたします。


ダブルタギングのポイントや注意事項

1)似ていないツールを選びましょう
良い例:「Visionalist+なかのひと」
悪い例:「SiteCatalyst+WebTrends」
全く同じような機能や難易度をもつをツールを選んでも意味がありません。「詳細分析+レポーティング」「課題発見+広告分析」「課題発見+特殊分析」といった切り口で似ていないツール同士を選びましょう。


2)まずは「有料+無料」をオススメします
良い例:「RTMetrics+GoogleAnalytics」
有料ツールを2つ入れるのは、相当説得力が必要なので大変かと思います。「まずは無料ツールを入れてみて、無料ツールで満たせないところを有料ツールで満たす」あるいは「有料ツールを入れて、バックアップで無料ツールを入れる」どちらかのパターンが定番です。


3)利用目的に応じて主と従を決めましょう
良い例:「SiteTracker(主)+ユーザーインサイト(従)」
自分のサイトで何を分析したいか?によって、普段使うツールと特殊な用途で使うツールという風にわけておくといいでしょう。今回の例ですと通常の分析はSiteTrackerで行っておき、地域やユーザーの情報を定期的に見るためにユーザーインサイトを使うといった形です。また社内教育やサポート度合いも主を中心に行いましょう。両方をちゃんとサポートするのはコスト的も厳しいケースが多いです。


4)計測方式やタイミングが違うツールを選びましょう
良い例:「ClickTracks(ログ型)+ComfyAnalytics(タグ型)」
良い例:「Urchin(非リアルタイム)+Yahoo!アクセス解析(リアルタイム)」
今回の分類では紹介しませんでしたが、計測や集計タイミングが違うツール同士を組み合わせるのも一つの手法です。特に「ログ型+タグ型」は取得出来るデータやレポートが異なる部分が多く、片方だけでは見たい物を全て見られない可能性もあります。



補足:2つのツールの数値を比較する事に意味はありません
ツールによって、データの取得方式や定義が違うため、数値は絶対にずれます。どちらのツールの数字が正しい?と問う事に意味はありません*2。アクセス解析は実数を見るより変化を見ることが大切です。それぞれのツールの癖を理解しておく事は大切ですが、数値の差を気にしすぎないようにしましょう。



まとめ

この記事を書いた背景を一行でまとめると機能比較だけではなく、利用目的とその得られやすさから、最適なアクセス解析サービスを選んで欲しいという事に尽きます。


最近いろいろなアクセス解析サービスを使わせていただいて思うのは、同じアクセス解析サービスというジャンルでも、その使い勝手や目指している方向性は大きく違うという事です。高機能だから、レポートやグラフがわかりやすいから、といった視点だけでツールを選択しないようにしましょう。


大切なのは、「誰が何の目的のためにアクセス解析サービスを使うか?そのために必要な条件は?」を考えるという事です。ダブルタギングのところで書いたように、それは一つのツールでは満たせない可能性もあります。本記事やオンライン・オフラインで得られるツールのレビューや感想を元に、あなたの会社あるいはあなた自身にぴったりな、アクセス解析サービス(service あるいは services)を見つけてくださいな。


機能比較表だけでは最適なアクセス解析サービスは選べません。

http://d.hatena.ne.jp/ryuka01/20090801/p1

教育に大切なこと

1)使う人のレベルと目的を把握する(=使う人のレベルは一定ではない)


[背景]
当たり前の事ですが、忘れがちです。
説明している相手の能力を知らないと、算数を教えないといけない生徒に数学を教えたり、また数学の教授にピタゴラスの公式を教えてしまう事になります。
ここで書いている「レベル」には様々な物があります。 

  • その人のアクセス解析ツールの経験レベル
自分でサイトを運営していてアクセス解析ツールを入れてばりばり使っている人
他社での運用経験あり
全く初めてでPV・訪問回数・UU数の違いが分からない
そもそもネット関連の業務経験が皆無
など、過去の経験は本当に様々です。 


  • 計測に関わるIT技術の理解
導入の説明でなければそれほど意識する必要はないですが、以下の用語を理解しているか・していないかで説明の仕方は変わってくると思います。
HTML
JavaScript
リファラー
SEO/SEM
リダイレクト
UID(端末識別番号)
GETパラメータ(クエリーストリング)
コンバージョン
ROI
CPA/CPC
セッション
PV・訪問回数・訪問者数 

  • 数学的素養
あるに超したことはない知識です。出ている数字、あるいは出したい数字がどういう計算の元出ているか?を理解出来ている方が、理解は早く、ただ出ている数字を見ているだけではなく自分で新しい指標を考えたり、計測ではなく分析が出来る可能性が高くなります。 


[対応]
相手のレベルを事前に(あるいは説明の早い段階で)把握しておく。
いくつか定番の質問を用意しておくと良いでしょう。 

「今までにアクセス解析の経験は?」
「(もし「はい」なら)どういう数字を見ていた?」
「PCあるいはモバイルサイトの作成経験は?」
「サイトのどういう所を分析していきたいか?」 

その上で、その人に適した説明(また可能ならマニュアル)を用意する。ある程度レベルが高い人は、他のツールとの違いであったり、専門的な用語をどんどん使っても良いかと思いますが、初心者向けには「例え」を駆使して説明する事をオススメします。後は図示する事も大切です。技術的な背景はわからなくても、アクセス解析ツールを利用・活用する事は充分に可能です。分からない人は本当に驚くくらい分からないものですよ。 

また、目的を把握せずにツールの説明だけを行っていませんか?自分が説明するだけではなく、対話を行っていかない限りはアクセス解析ツールは使われないのでは?と思っています。説明出来たことに満足をせず、ちゃんと相手の疑問に答えられたか?を説明の評価とする事が大切かなと自戒もこめて非常に強く感じます。 



2)機能から説明しない。目的から機能を説明する。


[背景]
使う側は、まず何か目的があってアクセス解析を利用するわけであって、説明する側もその思考順に則った説明をする必要があります。なので、これはツールを提供しているベンダーや代理店のマニュアルや説明にもよく見られるのですが、機能紹介に説明の重点を置いた内容はあまり使い物になりません。アクセス解析上級者なら機能から利用目的を推測出来るのですが、初めて使ったり経験が少ない人には無理です。 

今回の項目で一番大切な内容ですので、具体例を元に説明してみます。 

[対応] 
「検索ワード」という機能は、検索エンジンで検索をしてサイトに入ってきた人が、どういった単語を入れて検索したのかがわかる機能です。
という説明は単なる機能紹介です。 

アクセス解析初心者は、その機能を見て「なるほど。うちのサイトに入ってくる人はこういうワードが多いんだな~」と思って終了です。 

では、以下の文章だったらどうでしょうか? 

「検索ワード」という機能は、検索エンジンで検索をしてサイトに入ってきた人が、どういった単語を入れて検索したのかが分かる機能です。人気があるワードを把握して、自分のサイトのブランド力を確かめたり、そのワードにあったコンテンツを用意する事によってサイトの滞在時間やコンバージョン率が上がるかも知れません。

少し良くなりましたね。でも、これでも全然不十分です。 

「機能を使ってどういう事が出来るか?という内容が足りないから」という訳ではなく、そもそも使う側はそういった使い方をする事が少ないし、ピンと来ないからです。
アクセス解析ツールを利用する人が知りたいようなことは以下のような内容です。 

  • サイトに入ってくる人たちの属性や興味を知りたい。
  • その上で、どういう人たちが商品をより購入しやすいのかを把握したい。
  • 自分たちが打ったメルマガやキャンペーンの効果測定をしたい。
  • サイト内のどこで人が多く離脱しているかを知りたい。
  • 少ないお金で効率的にリスティング(あるいは集客)をしたい。
  • 新規のユーザーを増やしたいが、どうやったら集められるのか?
(少なくとも新規の人の特徴を知りたい) 
  • 何度もサイトに訪れて欲しい
  • とにかくUUを増やしたい!売上も増やしたい!

といった類の物がほとんどです。こういう思いを持っている人たちに「検索ワード」の機能とその使い方を説明しても上記の質問の答えには全くなっていません。もちろん全ての機能を説明し、そこから賢い人ならどうやって上記の答えあるいはヒントを出せばよいのかがわかるかも知れませんが、初心者あるいは経験が少ない人にとっては非常に難しいです。 

なので、アクセス解析ツールのマニュアルとは、本来以下のような形であるべきなのです。 

Q.サイトに流入してくる人の属性を知りたい 

A.「検索ワード」を使って、流入してくる人の興味とその結果を見てみましょう。
「検索ワード」:サイトに入ってくる人が、どういう興味あるいは期待を持って入ってきているかわかります。この流入ワードを「訪問回数」「閲覧ページ数」「進入ページ」「コンバージョン」などを掛け合わすことにより、より詳細にユーザーのサイトへの期待とその結果・属性などが分かります。
(以下、手法の説明) 

この後、いろいろ続くのですが、それは次の項目にて。 

良いマニュアルとは「目次には行いたいことが並んでいる」物であり「機能が並んでいる」物ではありません。しかしアクセス解析ツールでこのようなマニュアルはほとんど見たことがありません。教育する側は改めて使う側の意識を持って、マニュアルを作ったり、用意する事を考えて貰えればと思います(もちろん自分も含む)この行いたいことを考えるのは、実は非常に難しい作業だったりします。なので教える側は自分だけで考えるべきではなく、使う側・使いたい側と接していく中でヒアリングしたり、問いかけてみることが重要です。使う側が持っている要件は、意外に多彩かつアバウトですよ。物によってはアクセス解析では出来ない物もあったり、推測もいっぱい必要な物があります。今まで言われた、このようなケースの例としては 

  • 同業他社とUUの比較をしたい
  • サイトの作成料を押さえてROIが良いページにしたい
  • 20代の女性をターゲットにしているので、これらの属性の人を集めたい
  • 利用者のサイトへの興味度合いを把握したい
  • サイトを見ている人の興味が知りたい
  • コンバージョンに一番効く導線を太くしたい
  • コンバージョンに何が一番効いたかを知りたい

といった物がありました。なかなか、簡単に答えられる内容ではないと思います。 

重要なのは機能を説明するのではなく、目的に適した機能を紹介する事です。ほとんどの場合、目的を達成するためには一つの機能では不十分なので、機能単位の説明があまり意味を成さない事、ご理解いただけるかと思います。意味がないから不必要か?というとそういう事ではなく、時と場合によっては説明が必要だろうし、少なくともマニュアルの巻末にはレファレンスや定義の観点から用意しておくべきです。ただしアクセス解析の教育や説明という観点から見ると、機能の説明はさほど重要ではありません。 



3)百聞は一見に如かず。習うより慣れろ。


[背景]
アクセス解析の説明をしたとしても、初めての人は3割も理解出来れば良い方です。
ほとんどの人は説明の内容は分かっても、その意味や意義、また自分が抱えている疑問の解決(前項で出てきた目的が達成出来るが否か)はわからずじまいに終わるケースがほとんどです。その理解率をどうあげていけば良いか?それが本項目と次項目の内容です。 

[対応] 

説明だけではなくデモを見せたり、ユーザーに説明をしながら操作をして貰いましょう。この時に出来るだけ、機能の本来の用途であったり、ユーザーの疑問を聞き出したり感じ取ったりする事が大切です。特にアクセス解析の説明は難解な単語も多く、とかく眠くなりがちです。私自身も過去のセミナーで多くの脱落者を出してしまっています(反省)。なるべく興味を持って貰うための工夫は必要ですね。大切なのは参加者は「聞く」という立場ではなく、文字の通り「参加」して貰うという立場になって貰うことが大切です*2。 

ある程度、時間が割けるのであれば、課題を行って貰うのが効果的です。私が新人に対して研修で行ってきたのは、うちの会社の複数あるサイトのうちどれかを選択し、そのサイトの課題と解決案を考えるという物です。課題には通常4日間与えられ、1日の終わりに(あるいは必要に応じて随時)ヒアリングを行います。その研修プログラムは以下の通りです。 

1日目AM:サイトの選択とアクセス解析の操作方法・機能及びその機能の目的の説明
1日目PM:サイトの閲覧。サイトの特徴と目的を理解して貰う。必要に応じてサイト担当者へのヒアリング
2日目AM:定性的・定量的情報を使ってサイトの課題を見つけられる限り探してみる。
2日目PM:その日の最後に見つけた課題を報告して貰い、協議の上、1つあるいは2つにしぼる。
3日目AM:その課題に対しての解決案及び、改善したらアクセス解析上、どの数字が変わるかを考えて貰う。
3日目PM:解決案検討及び資料作成開始。
4日目AM:資料作成
4日目PM:私とサイト担当者に向けて発表 

上記の研修を行う上で気をつけていることは以下の通りです。 

  • 最初の説明時では機能説明とは別に「目的に応じて使う機能が記されたマニュアル」を渡しています。2日目AMの定量的情報を使ったサイト課題把握は、そのマニュアルに沿って機能を一通り使って貰っています(このマニュアルの概要に関しては次回の記事で紹介)。

  • 2日目PMは今までの経験を元に、解決案が考えやすそう・アクセス解析ツールの中だけで有る程度完結出来そうな物を気にして選んでいます。

  • ツールや機能の質問に関しては随時答えていく。また悩んでいそうだったら、こっちから声をかけて進捗を確認すると共に、悩みを聞きヒントを出す(次にここを見てみるといいかもよ?とかこういう視点もあるよというアドバイス)

  • 発表の内容は通常パワーポイント10枚前後。発見した課題とその解決方法を、ログデータやサイトのスクリーンショットなどを使い、文字少なめ・情報多めで作ってもらいます。また発表の内容は15分程度です。

  • 発表の後は「気づきを褒める」「他に見るべき情報があればその説明」「解決に向けて具体的に自分だったらどう動くかを考えて貰う」「(既にサイト担当者はその課題に直面している事が多いので)現在、何故その課題が解決されていないかの説明」を行います。質疑応答含め、こちらも15分の時間を取っています。


この研修を行うと、記事の最初に出てきた「1)使う人のレベルを把握する(=使う人のレベルは一定ではない)」というのが非常によく分かります。ぜひアクセス解析の教育担当者は新人研修や教育プログラムに取り込んでみてはいかがでしょうか?ちなみに中途で入ってくる方に関しては、ここまでの研修を行わず、数時間の説明及び紹介で終わらせている場合が多いです(特にその人にとっての主業務がアクセス解析担当者ではなく、数字を見るだけの場合ですが) 




4)実績=事例がモチベーションを上げ浸透を進める


[背景]
いくらアクセス解析を使っても、結果が出ないのであればモチベーションが上がりません。「説明も分かったし、機能も目的も理解しました。確かに便利そうだけど、自分の席に戻ったときにまず何をすれば良いのかわからない。」「数字の見方も分かったし、いくつか見てみて気づきもあった。でもそこからサイトをどう改善すれば良いかわからない。」といった意見は良く聞くし、目の当たりにしてきています。 

ここでこの課題をそのままにしておくと、モチベーションが上がらなくなったり、定常的に数字をウォッチするためだけにツールを使うという事態になってしまいます。これではツールの真価は発揮出来ないし、使っている側も真価を発揮出来ません。これを変えるために必要なのが実績と事例なのです。 

[対応]
実績や事例を集めるための仕組みと、それをマニュアルに取り込んだり、自分の知見として蓄えるという行動が必要となります。これは非常に大変で、今まで出てきた4つの項目の中では一番難易度が高いです。私自身もまだ満足行くレベルには出来ていません。 

ここで言う実績とは 

「A というサイトで、●●という事に困っていました。アクセス解析ツールで×と▲という機能を見て現状を分析。その上で■という施策を行ったら、★という数字が大幅に改善。売上も大幅にアップしました。考えたポイントは~中略~であり、成功した要因は~中略~という点にありました。」 

といった内容の物です。 

サイト目的に対して使うべき機能を説明する時に、こういった事例のある/なしはモチベーションに大きな差を与えます。もちろん全ての事例が全てのサイトに当てはまるわけではないですが、そのエッセンスであったり、一部でも利用出来る可能性はあります。だからこそ、単なる実績だけではなく、成功の要因や、考えたポイント等も書いてあるとなお良いです。 

また、こういった事例のアップデートや追加も必要です。非常に難しく、根気がいる作業です。しかし、こういった事例やポイントを持っている人は非常に重宝されますし、日本のアクセス解析業界において少ない優秀なコンサルタントになるために一番大切な事なのでは?と感じています。 




まとめ


1)使う人のレベルと目的を把握する(=使う人のレベルは一定ではない)
いくつかの質問からその人のレベルを把握し、そのレベルにあった説明を行う。 

2)機能から説明しない。目的から機能を説明する。
目的があっての機能。使い方を理解して貰うのではなく、課題への答えやヒントの知り方を理解してもらう。 

3)百聞は一見に如かず。習うより慣れろ。
使って分かることはとっても多いが、説明して分かって貰える事は非常に少ない。 

4)実績=事例がモチベーションを上げ浸透を進める
事例は事実。成功体験が次の成功への源泉となり、その泉が流れることが浸透へと繋がる。 



これら4つを全て網羅したマニュアルや説明が出来れば完璧!といっても、非常に難しいのは事実ですが、意識するだけでも大きく違うと思います。

説明に大切なこと

1)一般的な例ではなく、相手のサイトにあわせた説明をする。


説明する側にとっては、相手のサイトを理解する事により具体的な説明が出来るし、聞いている側も「自分のサイトの事を話している」と集中力が上がり、説明者に対して親近感を覚えやすいです。 

例1 

× コンバージョンページは、「コンバージョンページ」として登録する必要があります。 

○ このサイトのコンバージョンページ、つまり「ユーザーに一番して欲しいこと」を教えてください。
(資料請求をして欲しいです)
では、この「資料請求完了ページ」をコンバージョンページとして画面に登録しましょう。成果ページとして登録する事により(以下略) 



2)余計な情報は説明しない


説明しなくても良いことを説明する事は時間の無駄にもなるし、聞いている側も「あぁ、ここは自分のサイトとは関係ないな」と思い集中力が切れます。 

例2 

× アクセス解析ツールではページURLを判別する際、クエリーストリング(URLの?以降の部分)は見ません。しかしパラメータ名に検索の種類が入っていて、そのパラメータの値ごとに別のページとして計測したい場合、つまりsearch.cgi?type=aとsearch.cgi?type=bを別のページとして取得したい場合、別々のページとして取得出来るような設定をする必要があります。その方法ですが、(以下略) 

○ このサイトには動的なページはありますか?
(いや、静的なページのみで、クエリーストリングを使ったページはありません)
わかりました。ではこのページの説明は割愛しますが、もし将来的にそのような予定がある場合は、このページは別途読んでおいてください。 



3)「何故」を説明しないと「理解」されない。


説明する側にとっては当たり前のことも、初めて聞く人にとってはそれが常識ではないので、具体的にしかもちゃんと理由を伝えながら説明する事が重要となります。 

例3 

×メインとなる導線のページ名称はちゃんとつけた方が、画面を見るときにわかりやすいです。
(…画面で分かりやすいって言われてもなぁ、考えるの大変だしそのままじゃダメかなぁ) 

○メインとなる導線のページ名称をつけておく事により、画面でページ別PVなどを見る際に、長くて意味がわかりづらいURLより、ページ名称が表示されるため、どのページのことを指しているかが分かりやすくなります。 



4)説明が無くとももわかりやすい資料を作る


資料は説明が無くても、理解出来る物にする必要があります。口頭で言う大切な事は全て資料に記載しましょう。資料作り時に気をつけることは 

A)伝えたいこと・意味することを各ページの最初あるいは最後に記載しておく 

B)説明の文章は極力省き、スクリーンショットあるいは手順説明に重きをおく 

C)分かりやすい目次あるいはラベルをつける 

 (導入担当者が見るべきページにはページの右端に赤いラベルを、 

  運用担当者が見えべきページにはページの右端に青いラベルを など) 

D)資料には必ず問い合わせ先のメールアドレスあるいは電話番号を入れる 

E)一番大切で、理解して貰いたいことを1枚にまとめ最後に配布する(あるいは資料の最後のページに入れておく) 

などがあります。 



5)紙ではなくスクリーンに注目させる


少人数でも大人数でも、可能であればプロジェクターを使って説明をした方が良いです。プロジェクターを使うことにはいくつかのメリット(そして多少のデメリット)があります。 

○資料に動きをつける事で、大切なポイントを理解して貰う 

○資料をずっと見ていると眠くなる 

○先をどんどん見てしまう人が、説明に集中してくれない 

○紙では出来ない、アクセス解析ツールのデモが行える 

×部屋が暗いとだんだん眠くなってきてしまう 

×既に知っている人にとっては時間が長く感じてしまう 

配布する資料とスクリーンに映す内容を若干変えておくのも割と良く使っているテクニックです 

機能や分析手法の説明は紙に書いておくが、他サイトの事例はスクリーンのみに映すという方法をとったことがありますが、集中力を維持させる事に対して効果的だったと思います。 



6)質問をさせるタイミングは最初に宣言しておく


「Q&Aをいつしてもらうか?」は説明の前に伝えておく。 

聞いている人がやきもきしないで済み説明に集中できます。大勢に説明する時は質問は最後に、少人数に説明する時は随時というやりかたが、一番時間のコントロールがしやすいと思います。 

行ってはいけないのが 

「説明に時間がかかってしまい質問を全く受け付けられなかった」 

「途中で質問に答えていたら説明が最後まで出来なかった」 

どっちも聞いている側にとっては不満足あるいはすっきりしない状態となってしまいます。 

必ず説明時には時間を気にするくせをつけましょう。携帯のバイブ機能で、終了10分前になるように設定する方法などは有効です。 



7)聞いている人のレベルを把握し適切な内容を話す


アクセス解析経験者に対して、PV・訪問回数・訪問者数を説明する事は時間の無駄になってしまいます。また、はじめてアクセス解析ツールを使ったり、勉強する人に対して、セッションの定義を説明しない事には、概念を理解して貰えません。こういった相手のレベルを確認し、的確な説明をする事は、お互いのためにもなります。 

では、大人数で様々なレベルの人がいる場合はどうするか?これは非常に難しいです。私自身の考えとしては、資料を初心者向け、説明を中級者向けにする事で対応いたします。基本的に必要な内容、あるいは絶対にしておこないといけない内容は、資料に書いておきます。その上で、口頭では中級者向けのことを話し、「この内容の概念あるいは前提は資料の何ページに書いてある通りです。必要な人は読んでおいてください」というような事を伝えます。 



8)ホワイトボードを積極的に活用しよう


ホワイトボードは非常に有用なツールです。相手から聞かれた質問を図示して説明したり、大切案ポイントやその場で答えられない持ち帰り事項の記述、アジェンダの記録、タイムラインの記述など様々な用途に使えます。また、その打ち合わせの中で分かった事実を記載しておく事により、その事実に基づいて話をしたり、事実が分からなくなるようなことを防いでくれます。 

打ち合わせ完了後は携帯電話で画面を撮っておくか、印刷しておくと良いでしょう。 



9)やっぱり大切なのは「事例」


前回の記事にも書きましたが、一番人をひきつけ動かすのは事実及び事例です。他のサイトでどういう数字を取っているか(社内外含め)、またその数字を見てどうやってサイトにそれを反映させ改善させるか。こういった「自分のサイトに置き換えるとどうなるだろう?」という考えを聞いている側が出来るような説明が理想的です。「こういった機能があります」というのは、相手に想像力を働かせるきっかけにはなりません。 



10)可能な限りフィードバックを受け取る


説明するだけに夢中にならず、相手の反応や言葉を見ましょう。自分の説明がどう伝わっているかあるいは伝わっていないかは相手を見ないとわかりません。では、フィードバックはどうすれば得られるのか?いくつかの方法があります。 

A)アンケートを行う(セミナーや勉強会などの比較的大規模向け) 

B)Q&Aの内容を書き留め、その背景を考える。 

 特に自分が説明したと思っのに、聞かれるような質問は、説明の仕方や資料に問題があるので改良が必要です。 

C)相手の態度や仕草などを見る 

 つまらなさそうにしている人、資料をどんどんめくってしまう人、眠そうな人、やる気がなさそうな人を見つけ、その理由を考えてみよう。 

資料やプレゼンはフィードバックを受けないと改良されません。また、話す相手によって重視するポイントあるいは、分かって欲しいことは毎回変わるはずです。現状に満足せず、または満足していなくとも妥協をせずに、積極的に資料と自分を磨いてみましょう。 




まとめ


10 個の手法を紹介してきましたが、いかがでしょうか?アクセス解析特有の説明方法だけではありませんでしたが、参考になれば幸いです。当たり前のことを書いておくと、皆さんご存じの通り「準備8割、本番2割」が良いプレゼンへの秘訣です。しかし、この「準備8割」を正しく行い、今の資料を改善するためのネタは「本番2割」の中にあります。

アクセス解析種類

提供形態

ASP:自前でハードやソフトを持たずに提供会社のサービスをWeb上から利用出来る方式。アクセス解析ツールの利用方法としては現在、主流型である。 


インストール型:ローカルのパソコンあるいはサーバーにソフトウェアをインストールし利用する方式。Web上のアプリケーションに縛られない自由なインターフェースが特徴。 


ハードウェア型:利用者の環境にハードウェア(サーバー)をインストールして利用する方式。大規模サイト向けのアクセス解析あるいはパケットキャプチャ型の解析形態を持つツールはこのタイプの物が多い。 



解析形態

サーバーログファイル型:利用者のサーバー上の保存されているログ(主にapacheログ)をアクセス解析ツールが読み込みそのデータを活用する。ログファイルを読み込ませる作業が発生するが自社内で完結出来る仕組みが作れる。 


ウェブビーコン型:PCにおいては現在主流のアクセス解析手法。計測したいページにタグを入れ(手動あるいは自動)アクセスされた時にその情報を計測サーバーに飛ばす方式。モバイルではapacheにモジュールをインストールする事でこの方式が利用可能。 


パケットキャプチャ型:利用者の環境にパケットキャプチャー用のサーバーをインストールする方式が一般的。アクセスされた情報をウェブサーバーとは別に取得し、その情報を計測サーバーにとばす。大規模のモバイルサイトを中心に活用される事が多い。 


コンサル型 :利用者がログデータを見ずとも、サービス提供側がアクセス解析ツールで取得したデータを分析し、その結果を報告するタイプ。自分でログデータを見なくても済むが、このサービスを提供する会社が少ないこと、またその内容に関しても玉石混合のためまだ一般的ではない。 

http://www24.atwiki.jp/realwebanalytics/


▼ここでは、2つの軸で分類することとします。
1:解析手法による分類
2:設置方法による分類

▽1:解析手法による分類
・i)サーバログ解析型
 ・Webサーバのアクセスログやエラーログを解析するタイプ。サーバ管理を自社で行っていないと導入は難しい。
  ・サイトカタリスト
   http://www.sitecatalyst.jp/index.html
  ・Visionalist
   http://www.visionalist.com/vl6/index.html
  ・ClickTracks
   http://jp.clicktracks.com/
  ・analog
   http://www.tokyo-kasei.ac.jp/~matsuki/analog/index.html.ja
・ii)Webビーコン型
 ・サイト内のHTMLページにイメージタグやJavaScriptを埋め込み、解析用サーバに情報を集めて集計するタイプ。ASP型の多くはこの方式を採用している。小規模サイトでの導入に便利
  ・インフォシークアクセス解析
   http://analyze.www.infoseek.co.jp/
  ・Google Analytics
   http://www.google.co.jp/analytics/ja-JP/
  ・らくらくログ解析
   http://www.arearesearch.co.jp/web/rakulog/index.html
  ・NINJYA TOOLS 忍者アクセス解析
   http://www.ninja.co.jp/analyze
  ・なかの人(エリア特化型ログツール)/うごく人(携帯版)
   http://nakanohito.jp/
  ・MOBYLOG
   http://www.mobylog.jp/index.html?xp=130&xm=86&xr=40
・iii)パケットキャプチャ型
 ・ネットワーク内のパケットを監視し、詳細な利用動向を追うことが可能。携帯電話向けサービスで高度なログを解析する場合、このタイプでしか実現できないことも多い。高額な予算が必要で、かつ社内の技術担当者も高いレベルが必要とされる
  ・RTmetrics
   http://www.auriq.co.jp/rt/index.html?link=mainvisual
  ・Packet Black Hole
   http://www.packetblackhole.jp/index.html

▽2:設置方法による分類
・i)ASP型
 ・無料や従量制となっており、予算的な導入ハードルが低い。ログ解析を始めるにあたって、まず最初に検討すべきタイプ
・ii)アプライアンス(ボックス提供)型
 ・パケットキャプチャ型や、イントラネット内のログ解析などに多い。比較的大規模なサービス向けで、初期費用もランニング費用も高価な場合が多い
・iii)インストールアプリケーション型
 ・技術者が社内に常駐している場合などは、検討に値するが、一般のサラリーマンが独自に利用するのは困難